Share

第3話 セックスしたら?

Author: 月歌
last update publish date: 2025-11-16 22:43:14

――やべえっ……まじ、やべえ。

智也は思わずこの世界では、唯一頼れる男である蓮を見た。だが、どう見てもこのひょろっとした男が山賊風の男三人に勝てるとは思えない。

智也はモモを抱きしめたまま、それでも蓮のマントの後ろに身を隠した。

「おいおい、そう怖がるなよ。可愛がってやるからよ」

「ずっこんずっこん、しようぜぇ」

――誰がお前らみたいな汚い格好の奴とずっこんずっこんするか。

智也の喉が乾いた。いや……もちろん、綺麗な男でも嫌だが。

なのに、蓮ときたら平然と言ってきた。

「今思い出したが、この世界から脱出するには『愛する人』とセックスする事だとノートに書いたよな、俺。ふむふむ、智也……誰かとしたら?」

「ふ、ふざけんな!!誰がこんな奴らとセックスするか!!大体『愛する人』としないと元の世界には帰れないだろうが!?」

智也の声が裏返った。背後の男たちの視線が、まとわりつく。

「あ、じゃあモモが蓮ちゃんとエッチしたら元の世界に戻れるにゃーー。蓮ちゃん、エッチしよ~」

「ばかモモ! 中学生がエッチとか言うな。こら、蓮にくっ付くんじゃない」

いつの間にか智也の胸を離れたモモが、蓮の背中に猫のようにしがみ付く。蓮は背中をよじ登ってきたモモをよしよしと撫でながら、とんでもないことを言い出した。

「そうだなぁ、俺もモモちゃんが妹みたいに好きだし、モモちゃんも俺の事が好きならエッチすると元の世界に戻れるかもな。ということだ、俺たちは素敵な花畑を探してセックスしてくるな!」

そう言うと、突然蓮は手を頭上にかざしその指先から眩しい光を放った。

次の瞬間、蓮もモモも目の前から消えていた。

智也の視界が白く染まり、剥がれた。

――そうだった。蓮は最強の魔法使いって設定だった。

「つうか、てめーーー。蓮、中学生に手を出す変態だとはみそこなったぞ!!」

智也は大声で叫んだが、反応はない。声だけが宙に溶けた。

「なんだーー、今の。男と獣人が消えちゃったぞ」

「まあ、裸の女が残ったからいいじゃねーの。三人でヤろうぜ」

「つうか、こいつ魔女かもよ?」

――くそ……ピンチだ。非常にピンチだ。

智也の背筋に冷たい汗が流れた。

智也は男たちの隙を付いて逃げ出そうとした。だが、背を向けて走り出した途端、男たちに羽交い絞めにされ、そのまま地面に押さえ込まれてしまう。

仰向けにされると、飢えた男たちがいきなり智也の乳房を揉み、乳首に食いついてきた。

「ひぇーーー、触るな!!気持ち悪いっ。ばか、やめろ。俺は、男だ」

「男だってよーー、こんな胸して」

一人の男が、乳首に舌を這わせながら胸を揉みこむ。男の唾液が胸の谷間にたらたらと流れ込んできた。

――智也の喉が悲鳴を呑み込んだ。

智也は気持ち悪くて泣き顔でいやいやをしていた。それが余計に男たちをそそったのか、一人の男が智也の太ももに手を這わせてきた。

「じゃあ、男かどうか確認してやるよぉ……ほれ、男である証なんかねーじゃん。で、中は……」

「あ、やぁ……触るな。ひぃい!」

ごつごつとした指が秘所に侵入してきた。智也は、泣きながら足をじたばたした。

だが、指は増やされ内側でもぞもぞと動かされる。

――理性が引き裂かれていく。

胸は他の男に揉まれて噛まれて、むちゃくちゃだ。ぴんと立ちはじめた乳首をもう一人の男がもてあそぶ。

そんな状態なのに、犯されそうなのに智也の体の奥が熱くなってきた。

――まずい……出る。

「うわぁ……すっげーいい香りの蜜が溢れてきたぞ。たまんねーーー、突っ込むか!!」

――うわっぁぁぁ。ヤダ。ヤダ!!!

智也の意識が白濁に沈んでいく。

Continue to read this book for free
Scan code to download App

Latest chapter

  • 異世界転移、魔法使いは女体化した僕を溺愛する   第79話 ヒナの刷り込み

    「前の長老は、今の長のナギさんの祖父だったの。でも、おじいさんが亡くなってナギさんが跡目を継いだのよ。」リリカは智也のために、長のナギのことを丁寧に説明してくれた。「獣族では年齢性別関係なく強い人が長になるの。この村では、彼女が一番強いから、彼女が長になったのよ。」智也は、まだ見ぬ長のナギの姿を思い浮かべながら口を開いた。「じゃあ、アベルは愛する人を救う為に自ら牢獄塔に侵入しようとしていたのね。なんか、愛を感じるわ。」少し考えてから、続けた。「うん、なんかアベルに好感持ったかも。最初は獣の爪や牙を見て怖い奴って思ったけど、結構可愛いとこあるじゃん!」「うん、アベルはいい人だよ。この村の獣族のみんなだって皆いい人だよ。」リリカの声が、わずかに沈んだ。「でも、人間は……自分と姿が違うだけで私たちを嫌う。今は、獣族の大部族が王家に忠誠を誓っているから理由無く狩られる事は無いけど、昔はよく理由無く人間に狩られたと聞くわ。もちろん、反撃もしたけど……結局、王国に服従する事になった。」リリカは耳を少し伏せて言った。「でも、それを嫌って大部族を離れる獣族も出た。それが、私たちの先祖なのよね。」智也は、異世界の歴史をよく知らない。だがきっと獣族も、ギルミット族と同じように王国から酷い目に遭わされた歴史があるのだろう。そして彼らはギルミットとはまた違う道を選び、生き残った。王家に服従を誓うことで生き延びた。それでも人に支配される屈辱に耐えられず離れていった部族のひとつが、この村の人々なのだろう。誇り高き狼の一族には、その生き方がよく似合っているように思えた。それにしても、彼らにとってみれば王位継承者の側室である自分は憎むべき存在だろうに、こんなによくしてくれている。智也はただお礼を言うことしかできなかった。「ありがとうね、リリカさん。薬草入りパンすごく美味しかった。つわりも治まってきたみたい。」智也がそう言って笑いかけると、リリカは耳をぴくぴくとさせながら身を

  • 異世界転移、魔法使いは女体化した僕を溺愛する   第78話 獣族の長

    それにしても、蓮はあの後どうなったのだろう。まさか、本当に『トモ』の祖母を殺したりしてなければいい——智也はそう思った。蓮が『トモ』の生まれ変わりなら、あの老婆は彼の祖母になる。元の世界では家族の愛情に恵まれなかった蓮だからこそ、この世界で出会った祖母との繋がりを大切にして欲しかった。昔から蓮は何でも一人で背負ってしまうところがある。心配でたまらない。智也はぼんやりと考え事をしながら、カインとの契約の証である側室の指輪を見た。カインから逃げ出した時に側室の指輪の呪いが発動すると聞いたが、呪いが発動している感じは無い。誘拐は、「逃げ出した」とは判断されなかったということだろうか。だが、カインが自分のために動いてくれたのは意外だった。アーサーとの確執から自分を彼から奪ったのだろうけど、少しは愛してくれているということなのだろうか。それとも、自分がカインの子供を宿していることが伝わったからこそ、取引に応じたのか。この取引が、王家の威信を損なうことにならないのかと心配になる。カインの呪いを解くために牢獄塔に行ったのに、かえってカインをピンチに追い込んだのではないかと思うと、申し訳ない気がした。もともとは、アーサーから引き裂かれ乱暴された身で恨みもしたが、今は彼の子供を宿している。この子を産めば、カインが父親になるのだ。そう考えると、子供のためにも彼を受け入れるべきだと思えた。元男の自分が母親になるなんて信じられないことだけど、それが紛れもない事実なのだから。「そんな暗い顔するなって。お前はすぐに解放される手はずになっている。」智也が暗い顔をして側室の指輪を見つめていることに気づいたアベルが、肩を優しく叩いた。「アーサーとレンという男が長を連れてこの村を訪れる事になったと、この村に王宮から知らせがきた。」智也ははっとしてアベルの顔を見た。「アーサーと蓮が迎えにきてくれるの!!」一気に表情を明るくさせた。その様子を見ていたリリカが、さっき急に耳を触ったお返しとばかりに質問をぶつけてきた。「すごく嬉しそうな顔をしたわね、トモヤ。そんなに、アーサーやレンという人に逢いたいの? まるで恋人が迎えに来てくれるような顔をしていたわよ!!」「恋人!!」智也は思わず顔を赤めてしまった。リリカは楽しそうに獣の耳をぴくぴくさせながら口を開いた。「ねえ、どち

  • 異世界転移、魔法使いは女体化した僕を溺愛する   第77話 つわり治療パン

    「うげぇーーーぇえ。」智也は吐き気とともに目が醒めた。最悪の目覚めである。だが、目覚めた場所は自分を誘拐した狼耳の男の胸の中ではなく、ちょっと固めのベッドの上だった。「あ、気が付いたのね。えーーっと、トモヤだったっかしら、名前は?」そう智也に声をかけてきたのは女性だった。ただし、その耳は猫耳よりも尖って鋭い感じの獣の耳だった。智也は思わずその耳に触れてしまう。女性はびっくりして、智也の手を叩き落とした。「ちょ、ちょっとどこ触ってるのよ!! 耳は感じやすいんだから、勝手に触らないでよぉ。」女性はそう言うと、頬を赤らめて大きな胸を両手で隠し、獣の耳をぴくぴくとさせた。衣服越しにも、乳首がぴんと立っているのが分かった。そんな様子を見て、智也は思わずにやついて呟いた。「ひょっとして、耳が性感帯だったりする?」そう言った途端、ごつんと背後から頭を叩かれた。智也が悲鳴をあげながら背後を振り向くと、そこには自分を誘拐した犯人が立っていた。「ひっ、誘拐犯!!」「俺はそんな名前じゃない。アベルだ。で、その女は医者のリリカだ。お前がつわりで苦しんでいるようだから、彼女に預けたんだ。」アベルは続けた。「お前のうめき声が聞こえたから来て見たら……お前なにリリカを虐めているんだ。」「虐めてなんかいないよ。それより、リリカさんが医者とは助かりました。うげぇーーー。この通り、つわりで、うぐぐっ……吐きそうなんです。なんとかなりません?」リリカは顔をちょっと赤めたまま、智也に団子のようなものを差し出した。「薬草をパンに練りこんだものなの。きっと食べれば楽になれると思おうわ。」「あ、ありがとう。」智也はそれをリリカから受け取ったが、なかなか口にすることができなかった。以前に飲んだつわり止めの薬が苦くてまずかった記憶が蘇ったためだ。その様子を、アベルは勘違いしたらしい。「毒なんて入ってねーよ。お前は大事な人質だからな。」アベルがそう言ったので、智也は言い返した。「別に毒が入っているって思ったわけじゃないから。あんたはともかく、リリカさんの目は純粋で信じられると確信したから。ということで、頂きますーーー。」迷いなくぱくっと薬草の練りこんだパンにかじりつくと、アベルとリリカは智也をじっと見つめていた。だがそんなことには気が付かないくらい、智也は夢中になって薬草パン

  • 異世界転移、魔法使いは女体化した僕を溺愛する   第76話 生きる意味

    「生きる意味とは……なんだろう?」蓮は呟いた。その問いに、誰かの声が応じた。聞き覚えのある、だが懐かしい声。牢獄塔に閉じこもってから初めて聞こえた、他人の声だった。「聞こえているか……レン。お前は俺の契約魔法使いだ。俺が生きている限り、契約によりお前は俺のものだ。俺の命令を聞くんだ、レン。トモヤを守れ。あいつを幸せにしてくれ。」声は続いた。「カインにトモヤを奪われた時……俺は、母や妹を守る為にトモヤから身をひくしかなかった。『トモ』が殺された時もそうだ。俺は何時もしがらみに縛られて自分が思うようには行動できない。だが、お前は違うだろ、レン!!」「アーサー?」「聞こえたか!! ずっと話しかけていたんだぞ。そんなことはどうでもいい。」アーサーの声が少し強くなった。「トモヤがカインの子供を妊娠したことを弟から聞かされた。そして、トモヤが獣族に誘拐された事も。事件は収束に向かっているようだが、カインはお前にトモヤを無事に獣族の村から連れ帰って欲しいと願っている。カインは、お前が正気に戻ることを願っている。俺もそうだ。聞こえているか、レン!」「智也が誘拐された!?」蓮は驚きの顔で、閉じ込められた牢の柵にしがみつき、アーサーに声をかけた。アーサーは、蓮が呼びかけに反応したことにほっとしたように頷いた。「牢獄塔に狼属の獣族の長が投獄されてたんだ。その長を取り戻す為に自ら囚人としてこの塔にやってきたアベルという奴が、牢獄塔の前にカインの側室のトモヤがいるのに気が付いて彼女を誘拐して直接王宮と交渉することに方針転換したらしい。」蓮は顔を歪め、その額を柵にきつく押し当てて語気を強めた。「くそ、俺のせいだ!! 智也を牢獄塔の前で一人にしてしまったから。魔法の防壁も途中で途切れてしまったんだな。アーサー、早くここから出してくれ。あいつを迎えにいく!!」アーサーはじっと蓮の顔を見つめながら口を開いた。「レン……お前は、正気に戻ったのか?」「正気?」蓮はアーサーの顔をじっと見つめた後、ゆっくりと笑みを浮かべて答えた。「ああ、正気だよ?」「…………そうか。ならいい。」アーサーはそれだけ言うと、牢獄の鍵で柵の扉を開き、蓮を牢から解放した。蓮は、手に持っていた異世界から取ってきたノートをマントの中に隠すと、アーサーに向かって聞いた。「アーサー、お前も俺と一

  • 異世界転移、魔法使いは女体化した僕を溺愛する   第75話 蓮の脳内

    (牢獄塔最上部)蓮の脳に流れ込んできたギルミットの魔法の知識が、洪水のように脳内で氾濫し、収拾がつかない状態になっていた。ぼんやりと薄暗い牢獄塔の壁を見ている蓮の目には、脳内で氾濫する無数の魔法陣が、意味もなく石の壁に書き込まれていく錯覚に陥っていた。何か大切なことを忘れている——蓮自身もそれは分かっていた。 だが、そのことを考えようとすると、脳が拒絶反応を示すように魔法の数式が再び洪水のように氾濫し、意識を混沌とさせた。蓮は牢獄塔の冷たい石の壁に背中を預け、ゆっくりと目を閉じた。『蓮』誰かの声が聞こえる。『蓮』その声は、男であったり女であったりした。それでも蓮には、同一人物が発する声のように思えて仕方なかった。「誰だ……? 誰が、俺の名前を呼ぶ?」蓮は思わず呟いた。 混沌とした意識は、『蓮』という名前が自分のことであるのかどうかさえ曖昧にしていた。自分が『トモ』という名前だったような気もする。だが、蓮を『トモ』と呼んだものが誰だったか、はっきりとは思い出せなかった。それを思い出すことは、自分自身の精神の崩壊を意味するような気がして、恐ろしかった。不意に、両手に生暖かい感触が蘇る。蓮は冷や汗を流しながら目を見開いた。おそるおそる両手を見ると、その手には赤いペンキのようなものがこびりついていた。全身に視線を走らせると、服やマントにまで乾いた赤いものがこびりついている。その赤いものが、不快な臭いを発していた。咥内にも同じいやな臭いがしていることに気づく。 己が何か不快なものを口にしたことは明らかだった。 だがそれは、必要なことだった。その行為を己自身で受け入れたことを、蓮は身に染みて分かっていた。脳はそれを理解しながら、精神が乖離したようにその行為を受け入れようとしない——蓮はそう感じていた。『蓮……』また声が聞こえた。今度は、男とも女ともわからないような声色だっ

  • 異世界転移、魔法使いは女体化した僕を溺愛する   第74話 カインの困惑

    カインの言葉にユリアスは薄い笑みを浮かべ、口を開いた。「もう手は考えてあります。トモヤ様が懐妊されていた事は幸いでした。」ユリアスは一度言葉を切った。「王家の正統なるお世継ぎ懐妊の恩赦として、獣属の長を放免といたしましょう。本人も無実だと訴えているように実際投獄されている長は、庶民を蔑んだ言葉を放った貴族に反論しただけで捕まったようです。ま、ありがちな話ですが。彼を、牢獄塔から出しても王国に害をなすとは思えません。」カインはほっとした表情になって、ユリアスに命じた。「恩赦で放免とするなら、書類がいるだろう。お前のことだ、もう用意してあるのではないのか?」「こちらに書類を用意してあります。カイン様のサインをいただければすぐに、囚人は牢獄塔から放免できます。」ユリアスは続けた。「それと、狼属の獣族長だけを釈放しては何かと目立ちますので、釈放しても問題なさそうな囚人を数人牢獄塔から同時に釈放しましょう。その中に、今回の騒動の主のアベルの名前も記しておきました。この書類に署名をお願いします。」カインはユリアスが王家への忠誠からではなく、己自身の野心の為にその頭脳を使っていることに少々嫌気が差していた。それを少し顔に表しつつ、ユリアスから書類を受け取り、一通り読んだ後に署名し、王家の印を押した。それをユリアスに渡しながら、気になっていたことを口にした。「王家が一部族の要求に従い、牢獄塔の囚人を解放したことが世間に知れてはまずいだろうな。そのあたりも、お前は手配済みなのか?」「はい。側室のトモヤ様が誘拐されたことは極秘となっております。生き残って帰ってきた護送車の運転手も大量失血の為亡くなりました。」ユリアスは淡々と続けた。「側室の誘拐を知るものは、あとは王家へ忠誠を誓っているものだけです。長が治める狼属の一族には、秘密を守らなければ全面的に攻撃すると警告しましたので秘密は守られるはずです。」(おそらくユリアスは護送車の生き残りの運転手を、口封じの為に殺したのだろう)カインはそう思ったが、黙っ

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status